自分からこうしたいああしたいと奮励さえすれば、たいがいはその意のごとくになるものである。しかるに多くの人は自ら幸福なる運命を招こうとはせず、かって手前の方から故意に侫けた人となって逆境を招くようなことをしてしまう。
(【論語と算盤】処世と信条)より
現代の言葉で言うと
どんなに大きな目標や夢でも「実現したい」と強く願って努力すれば、大抵のことは思いのままにできるものだ。しかし多くの人は自分から幸せになる努力をせず、自分勝手に悲観したり、すねたりして、どんどん苦しい状況に陥ってしまうのだ。
努力しても成功するとは限らない、しかし、努力せずに成功した人はいない
幸福を招くには
幸福を引き寄せるにはどうしたらいいのでしょうか?まずは渋沢が指摘する通り「自分の首をしめるようなことをやめる」ことです。
普通に行動すればうまくいくのに、余計なことをしたせいで窮地に陥ってしまう。こういう逆境は避けたいものです。
また渋沢は「幸福は自己の努力によってのみ発展すると思うのは誤解である」との指摘もしています。このことについては過去記事で詳しく書いているので割愛しますが、幸福は自分の力でどうしようもできないことがあるのは事実です。
しかし、自分の努力次第である程度、幸せは引き寄せることはできます。その1つの方法として「いまある幸せの数を数えること」が効果的です。
大成功をおさめた、大富豪でも、いまある幸せに気づけず、不幸な人生を送っている人がいるように、幸せになりたい!と思っている人の多くは、他人と比較するばかりで、いまある幸せに気づくことができていません。
今ある私の幸せの一例として
・日本に生まれることができて良かった
・この時代に生まれることができて良かった
・電気があり、パソコンやインターネットが使える
・働くことができる体がある
・一生懸命に取り組みたい目標がある
・毎日3回の食事を食べることができる
・安心して過ごせる家がある
etc
少し考えるだけでも、感謝できることは沢山あります。
それを
「当たり前」だと思うのか、「ありがたい」と思うのか、そのわずかな違いであなたの幸せ度合は変わってきます。
人の幸福は自己の才能、勉強によってのみ発展すると思うは、大いなる誤解である。(【渋沢栄一訓言集】一言集)より 現代の言葉で言うと 人の幸福が、本人の才能や努力によってのみ叶えられると信じるのは大間違いである。 感謝、貢献[…]
順境だけが尊いものではない
できればものごとが順調に進んで欲しい!と思うことは当然で、
逆境は誰でも嫌なものです。
しかし、
逆境にこそ力を発揮できる人達がいます。逆境は誰でも嫌がるからこそ、自分の本当の力量が存分に発揮できるチャンス!と考えることもできます。
自ら変化を起こし、困難な状況に身を置く。そのほうがむしろ自分を成長させてくれる、素晴らしい環境になる場合もあるのです。