すべて世の中の事は、もうこれで満足だという時は、すなわち衰える時である。
(【渋沢栄一訓言集】国家と社会)より
現代の言葉で言うと
どんなことでも「これで満足だ」と思ったときから、衰退がはじまる
満足は衰退の第1歩である
欲望は無限になる
いまより満足したい、いまより成長したい。この気持ちは誰もが持っています。この欲望のおかげで文明は進化・向上してきました。
もちろん、 今自分が置かれている環境や立場に、感謝の気持ちを持つことは大切です。
ただ「感謝する」ことと「満足」することは、意味が違います。
あらゆることに感謝しても、成長し続けるためには、簡単に満足してはいけないのです。
この無限の欲望であるエネルギーを使わない手はありません。渋沢栄一も欲望を「論語」で上手くコントールすることで数々の偉業を成し遂げました。詳細は過去記事に詳しく書いていますのでよかったら参考にしてみてください。
無欲は怠惰のもとである【渋沢栄一訓言集(一言集)】より 現代の言葉で言うと 欲望がないことは美徳ではない。むしろ人を怠け者にしてしまう。 欲望とは悪いものなのか 例えば、包丁は悪いものでしょうか?包丁は殺人に使うこ[…]
本当に幸せな状態とは
「完璧な幸せを手に入れている状態」こそ、人生で一番幸せな状態だと多くの人は思っています。
でも完璧な幸せを手に入れてしまったら、その状態が崩れてしまうことを恐れてしまうのではないでしょうか。また完璧な幸せが続いたならば、そのありがたい状態に飽きてしまうかもしれません。
そう考えてみると実は 「満足したい」と飢えていて、それにまだ手が届いていない状態を本当に幸せな状態というのかもしれません。
私も渋沢栄一に影響を受け「お金持ちになり社会貢献すること」を目標に起業しました。まだ自分の理想とは程遠い状態ですが、一歩一歩前に進んでいる現在が一番「やりがい」と「楽しさ」を感じています。
末期における教訓が尊いというよりはむしろ生前の行為こそ真に崇拝すべき。【論語と算盤(人格と修養)】より 現代の言葉で言うと 人が死ぬときに残した教訓が大切というよりは生きている間に何をしたかが本当に大切である。 なぜ結果[…]
「足るを知る」タイミングに注意せよ
中国の思想家、老子の言葉で 「足るを知る」という言葉があります。「身分相応に満足することを知る」という意味です。
確かに自分の身の丈を知ることは大切です。そしてその身の丈にあった幸せに満足することで、それ以上のことを求めないようになれば心は平安に包まれ、より幸せに生きられるでしょう。
しかし、これは 自分の身の丈が十分わかっている人に役立つ言葉です。
植物は種を植えれば芽をだし、ぐんぐん成長していきます。この時はまだ自分がどのくらいの高さになるかわかりません。 自分の高さがわかるのは花が咲き、花が枯れ始めたときです。
人間も同じで若い時は、あらゆることがぐんぐん成長していきます。そして年をとるにつれて、成長は少しずつ止まっていきます。そして 成長が完璧に止まったときにやっと自分の身の丈がわかるのです。それまでは 植物も満足することなく「成長」するように、あなたも貪欲に成長することを目指しましょう。