天命を楽しんで事を為すということは処世上に於ける第一要件
青淵百話より
現代の言葉で言うと
天命を知り、天命に従い、物事を楽しく成し遂げることが幸せに生きていく一番の条件である
天命は人間だけが自覚できるものである
運命と宿命とは
運命とは「運ぶ命」です。したがって、自分の考えや行いによって運命は変えることができます。
一方宿命とは「宿る命」です。自分の誕生日、血液型、性別、生まれた国など、宿命は自分で変えることができません。
天命とは
ここで栄一のいう「天命」とは「天から与えられた命」なので、運命とは異なり、自分では変えられません。
また変えられないからといって宿命とも違います。天命は宿命の誕生日など分かりやすいものではないからです。だからこそまずは「天命を知る」姿勢が重要です。
自分の天命を知るには
天命を知るヒントは過去記事に書いています。しかし、人間という存在に「天」の意図が正確にわかる訳ではありません。
されば孔子がいわれた「罪を天に獲る」とは、無理な真似をして不自然の行動に出ずるという意味であろうかと思う。(【渋沢栄一訓言集】処事と接物)より 現代の言葉で言うと 孔子が言った「罪を天に獲る」とは「本来の自分にそぐわない行動を[…]
正確にはわからないからこそ想像力が使われる
人間という存在は天(宇宙)にとっては、とてもちっぽけで、無意味な存在です。
しかし、天は人類にだけ想像する力を与えてくれました。これは人間だけにしか使うことのできない特別な力です。
この力のおかげで人は、データが無く実際にはわからない「天命」を主観的に知ることができて「楽しむ」こともできます。
私たち人間だけにしかできないこと
私たちが他の生物と共生する地球で、人間だけが「天命を楽しむ」力を天から与えられました。
だったら、
その想像力を活かすことによって、天命を楽しみ、よりよい世の中にしていくことが人の務めではないでしょうか。