社会への利益は自分のため

其の道理に協つたやり方をすれば国家社会の利益となるかを考へ、更に斯くすれば自己の為にもなるかと考へる


青淵百話より

現代の言葉で言うと

仕事に意味をみいだし、国家の利益になるかを考えれば、結果的に自分のためにもなる

仕事に意味があれば働くことは苦にならない

仕事はお金を稼ぐためだけの手段ではない

仕事をすることは生計を立てるため。つまり、自分のため。働かなければ家族の衣食住を支えることができないので、これは一般的な考えです。つまり、仕事とはお金を稼ぐ「手段」という考え方です。

ただこのような考え方をすると、それは自分の大切な時間を切り売りしてお金を稼いでいるという状態に陥っているのと変わりません

仕事に意味を見出そう

しかし、栄一は仕事とはお金を単に稼ぐ「手段」ではなく、仕事自体に「意味」があると説いています。
仕事の内容によっては、生計を立てる以上に稼げるかもしれませんが、いくらかせいだとしても、そこに意味を見出すことができなければ、いずれ燃え尽きてしまうでしょう。
一方、微々たる報酬であっても、そこに意味を感じるのであれば、その仕事に就いて働くことは苦にもならないはずです。

人は必ず誰かの役に立っている

道理とは、自分と人や社会との関わりによって、意味が深まります。自分の仕事が他人の人に役立っている、社会の役に立っていると感じているのであれば、意味が深まるのです。
そして、意味が深まれば、その仕事は必ず自分の為にもなるのです。