会社の重役たる名誉も、会社の資産も悉く多数株主から自分に嘱託されたものである。若し多数人の信任が無くなった際は、何時でも潔く其の職を去るのが当然のことである
(【渋沢栄一伝記資料】青淵百話)より
現代の言葉で言うと
会社の肩書や資産もすべて多数の株主から委託されているものである。だから株主の信用を失った経営者は、ただちに職を辞するべきである。
あなたは誰のために働くのか
会社は経営者のモノではない
自ら創業した経営者さんは、自分の会社は自分のモノだと思っている方が多く存在します。
しかし、会社経営はたとえ個人事業主であっても多くの人の協力が必要です。仕入れ先や取引先、電気・水道・インターネットなどのインフラ供給、金融機関や行政のサポートも受けているかもしれません。
もちろん、従業員の協力も必要です。経営者ひとりだけが頑張っても良い会社を作ることはできません。
そう考えると「会社はみんなのもの」であり、みんなのために役立つことが重要だということに気づくでしょう。
間違っても会社を私物化し、経営者の私腹を肥やすことに使わないように気を付けでください。
経営者は誰のために働くのか
経営者は誰のために働いているのでしょうか。
「自分のため」「従業員のため」「お客様のため」「取引先のため」など、自分も含め色々な人のために働いていることでしょう。
しかし、株式会社であれば、忘れてはいけない存在があります。それが
資本を提供してくれている株主の存在です。
株主が経営者や会社を信用して、資本を提供してくれているおかげで、ビジネスをおこなうことができています。いまの
経営者という肩書も、資産もすべて、多数の株主から委託されているだけです。
なので、経営者は株主の利益を考える義務があります。この義務を怠り、株主からの信用を失えば経営者として失格です。
顧客第一主義でお客様をなによりも大切にする考え方は大切です。しかし、
経営者ならば常に株主の信用を得ることも考えておく必要があります。
ビジネスと信用の関係については、過去記事で詳しく書いていますので良かったら参考にしてみてください。
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