一家の中、最も貴ぶべきは床の掛物に非ず、甲冑武器の置物に非ず、書籍巻物に非ず、屏風襖に非ず、要は此の米櫃にある
青淵百話より
現代の言葉で言うと
家の中で一番大切なものは、じゅうたんでもなく、甲冑などの置物でもなく、本や巻物、屏風でもない、お米をいれる米びつである。
商人はよいお金儲けの見本になろう
お金儲けはかっこ悪い?
歴史の本にもテレビの歴史ドラマも武士や将軍が活躍するシーン多くても、商人が活躍するシーンは圧倒的に少ないものです。
国のために戦ったりすることは、とても目立つ行為ですが、お金儲けはそもそも目立つべきではないという価値観があるかもしれません。
つまり、
お金儲けはかっこよくない行為であるというわけです。
お金儲けは生活の基盤である
しかし、渋沢栄一は 商人の目的であるお金儲けは、家の生活を支える台所にあるお米の入れ物という目立たない存在こそ、重要であると説きます。
お金儲けを見せびらかす必要はありません。ただ、 目立たない存在ではあるというのは「よい」お金儲けの見本も見えないということです。
見本がなければ、常にお金儲けは悪いというレッテルが貼られてしまうでしょう。 このレッテルを乗り越えるには積極的に正しお金儲けをおこない、商人の見本となりましょう。
多くの人が正しくて、かっこいいお金儲けをすることで、世の中もきっとお金儲けや、商売の素晴らしさに気づいてくれるはずです。
お金儲けより大切なこと
皮肉なのは、
多くの人が仕事をしているのは、お金のためだけであることです。
生計をたてるために、自分の大切な時間切り売りして、お金と換えている。そんな生活をしている人が大勢います。
これもとても残念なことです。
働くことには、成長や自己実現など単にお金を得ること以上の大きな意味があるからです。