かくのごとき誤解あり(中略)仁義道徳をもって人を治める者は、生産利殖などに関するものではない
(【論語と算盤】実業と士道)より
目次
現代の言葉で言うと
「仁義の精神と道徳の心をもって人の上に立つ人物は、お金儲けに関わらないはずだ」という誤解が存在する。
多くの経営者は「お金儲け」と「社会貢献」を両立している
お金儲けは利己的だという思い込み
慈愛の心をもって、社会のために行動する人物は、きっとお金儲けなどはしないだろうと考えている人は多いと思います。
しかし、それを言い換えれば「 お金儲けに走る人たちは、慈しみの気持ちなどなく、自分のことしか考えていない」という理屈になります。
これは単なる偏見であり、思い込みに過ぎません。
優れた人格者はお金儲けに興味を示さない?
例えば、 真の研究者は研究に没頭していて、お金儲けにはそれほど興味がないでしょう。しかし、 大好きな研究をするためにもお金は必要です。
また、お坊さんほどの人格者でも、現代ではお寺を運営していくために、お金を稼いでいます。
お金儲けに興味がなくても、誰かの役に立つためには「お金儲け」が必要なのです。
財産とは、ただの結果に過ぎない
人は弱い生き物なので「 競争に勝つという目的のためには、どのような手段を使っても構わない」という利己的な考えに陥ることもあります。
しかし、その誘惑に負けず 法律とルールを厳守しながら競争に勝つ立派な人格を持った経営者も日本には沢山います。
利己的な誘惑に勝てる人は、財産とは競争の目的ではなく、結果に過ぎないのです。