いつでも事業に対する時には、利に喩ることにしておる。多数の人より資本を寄せ集むるには、事業より利益の上がるようにせねばならぬ。利益を度外におくことを許さぬは勿論である。
(【論語講義 二】里仁第四)より
目次
現代の言葉で言うと
常にビジネスにおいては、利益ばかりに走らず、信義を大切にすることを心掛けている。ただ多くの人から資本を集めるには、事業で利益を上げねばならず、それを度外視することは、当然許されない。
利益を忘れたら、それはもう事業ではない
事業を始めるときの心構え
事業は「お金を儲けたい」という心構えだけで、始めるべきではありません。
その事業が「 個人も社会も儲かるビジネス」かどうか見極める必要があります。ビジネスをはじめるときのポイントについては過去記事に詳しく書いていますのでよかったら参考にしてください。
関連記事
個人を利するとともに国家社会も利する事業なるや否やをしること(【渋沢栄一伝記資料】青淵百話)より 現代の言葉で言うと 新しいビジネスを始めるとき、個人の利益だけでなく国家・社会の利益にもなるのか、見極めよ 社会に応援され[…]
NPO(非営利団体)でも利益がないと事業は続けられないのは同じ
どんなに人に役立つ事業であっても、事業である以上、利益は上げなければいけません。
理由は単純で「 利益がなければ、事業が継続することができない」からです。例えそれが、NPOだったとしても、利益を度外視することはできないのです。
「利」がなければ「義」を尽くすこともできない
お世話になった人に恩返しをしたい!困っている人を助けてあげたい!そう思ったときはまず自立する必要があります。
まず自分が経済的にも、精神的にも自立して、はじめて「恩返し」「人助け」などの「義」を尽くすことができるようになります
「利」のために、まず「義」を考える
「利」を得てこそ「義」が尽くせる
これが渋沢が説いた「論語と算盤」の両立です。