新規事業は苦難の末に成功に至る

およそ新創の事業は一直線に無難に進み行かるべきものではない。あるいは躓き、あるいは悩み、数々の困難を経、辛苦を嘗めて、はじめて成功を見るものである。


(【渋沢栄一訓言集】実業と経済)より

現代の言葉で言うと

新しい事業を立ち上げたなら、それが困難なく順調に発展すると思っていてはいけない。ときに挫折し、苦悩し、困難や辛さを克服して、初めて成功を手にすることができる

困難を受けいれ、ただ前に進め

人間をダメにする確実な方法

どんなに素晴らしい人でも、ダメにする確実な方法が1つだけあります。それは努力や困難を求めることなく、ただ報酬を与えることです。

何も努力していない人に報酬を与え続ければ、その人はいずれ努力をしなくなります。正確に言うと努力することができなくなります。

努力や困難なしに、報酬や成功を得た人は、一見幸運に見えますが「自分の人間性を磨こうとしたり」「成長しようとしたり」「努力しようと」する気持ちが持てなくなります。それでは 成功や富を持続させることができません

困難や苦悩は嫌なものですが、人間性を磨く絶好の砥石なのです。

新しいことに挑戦するとき困難は避けられない

どんなに入念に計画を作り、新規事業を立ち上げたとしても必ず想像を超える困難に出くわします

わたしは自分が起業する前、ベンチャー企業で働いていましたが、毎日が困難の連続でした。そこで経験をつみ、あらゆることに備えて自身も起業したのですが、結局は困難の連続でした。

新しい分野に一歩踏み出すということは、 前人未到の荒野を切り拓いていくということです。石につまづいたり、イバラに傷つけられたり、道に迷ったりするのは当然なのです。

そういう心持ちでいれば、困難に動揺することも無くなります。「さあ、今日はどういう問題が起こるかな!全部片づけてやるぜ!!」というように心に余裕が生まれてきます。

「こけたら、立ちなはれ。」

新しいことに挑戦するときは、必ず困難に出くわすものです。そして、その困難が辛すぎて、心が折れる時があります。

私もお客様にめちゃくちゃ怒られたり、取引先から見放されたり、資金が底をつきそうなとき、体調が絶不調なとき、などあらゆることが重なり、私も何度か心が折れたことがあります。

でも、 何度心が折れてもいいんです。何度でも再び立ち上がるだけです。松下幸之助氏が「こけたら、立ちなはれ。」とおっしゃった通り、転んでは立ち上がり、転んでは立ち上がり、ただ前進するしかありません。

成功や成長はその先にしかないからです。