弱者を救うは必然のことであるが(中略)なるべく直接保護を避けて、防貧の方法を論じたい。
(【論語と算盤】仁義と富貴)より
現代の言葉で言うと
社会的に弱いひとは、当然助けるべきだが、できれば直接守ってあげるよりも、貧しくならない方法を考えるほうがよい
援助によって、弱者を堕落させてはならない
社会という土台があるからビジネスができる
人は一人では何もできません。国や社会の土台があるからこそ、事業を行い、利益を上げて、安全に生活できるわけです。
もしも国や社会が存在しなければ、どんな能力がある人でも、それを活かすことはできないのです。
ビジネスは「感謝」と「恩返し」だ
ですから現代において、成功した人々は、国や社会からかなりの支援を得ているといえます。このことに感謝して、恩返しとして弱者への救済事業に努めようと考えるのは当然です。
いかに苦労して築いた富であっても、その富は、自分一人の功績ではないのですから。
正しい援助とは
成功したものが弱者に援助するのは当然ですが、安直に金銭を援助し、貧しいもんが何も努力せずに金持ちになれるようでは、かえって本人を堕落させてしまいます。
それよりも、 彼らが、自らの力で貧しさを脱却できるように、サポートすることこそが必要なのです。