仕事らしい仕事をさせてくれないのは、人が与えてくれないというよりも、むしろ自分に仕事を引き付ける能力がないのではないかと思えるのである。
【青淵百話】より
現代の言葉で言うと
やりがいのある、人に役立つような大きな仕事を頼まれないのは、人が頼んでくれないのではなく、自分に頼みたくなるような能力がないからではないか
仕事も恋愛も引き寄せるもの
渋沢栄一は多数の事業に関わり、多くの新入社員の若者たちを見てきました。そして、自分に見合う仕事がもらえない、仕事がつまらないと不平をいう若者たちに幾度となく出会ったことを記しています。
その若者たちに向けて、渋沢は中国の歴史書「史記」から桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す(とうりものいわざれどもしたおのずからみちをなす)を上げ仕事のできる人は自分で仕事を引き付ける、先述のような不平を言うのはその人にそうした能力がないからだと語っています。
大きな仕事を頼まれる人間とは
大きな仕事を頼まれる人とは、どんな人でしょうか?まず大前提として「大きな仕事をしたい」「より多くの人に役立つ仕事をしたい」と心から思っている人です。
仕事は言われたことしかやりたくない!だから仕事はできるだけ頼まれたくない!そいう消極的な人のところには当然、最低限の仕事しか来ないため「成長することもなく」「やりがい」や「楽しさ」を感じることもないでしょう。人は人生の大半を仕事に費やしています。なのでその時間を楽しめないのはもったいと私は思っています。
またビジネスで一番大切なことは、信用を得ることです。信用を得る方法は過去記事に詳しく書いていますので良かったら参考にしてみてください。
信用は暖簾や外観の設備だけで、収め得られるものではなく、確乎たる信念から生ずるものである。【「渋沢栄一訓言集」座右銘と家訓】より 現代の言葉で言うと 信用というのは、肩書や外見を取り繕っただけで得られるものではない。ゆるぎない[…]
ハリウッドの法則とは
ITの世界で良く知られている「ハリウッドの法則」というのがあります。ハリウッドの映画監督が女優や俳優に「私を呼びだすな、必要ならば私から呼び出す」という言葉を良く使うことから来ています。
女優や俳優さんは映画に使ってもらいたくて、積極的に監督へ売り込みをします。それ自体は悪いことではありませんが、売り込みばかり熱心におこない、演技の練習などを怠っていては本末転倒です。
自分の興味がない営業を受けることほど、嫌なことはありません。
仕事も恋愛も、まず選ばれる人になることが大切であり、選ばれる人になってからアピールすれば、きっと相手にも自分の価値を認めてもらえることでしょう。