性格の丸い人間でもどこか角が欲しいものだ

人間にはいかに円くとも、どこかに角がなければならぬもので、古歌にもあるごとく、余り円いとかえって転びやすいことになる。


(【論語と算盤】立志と学問)より

現代の言葉で言うと

性格が温厚な人柄はいいものだが、どこか尖っている部分が必要である。昔の歌にあるように、ただ丸いばかりだと、コロコロと転がされやすくなってしまう。

大切なものを守るためには戦いを辞さない

人は年をとれば、自然と丸くなる

どんなに尖った石でも川に流されて、角がとれて、丸くなるように、人も世の中に流され、もまれることで角がとれて、丸くなっていきます。

人生の長い年月の中で、辛いこと、悲しいことを経験することで他人の苦しみ理解することができるようになり、優しくなれるのです。

また「あの人は丸くなったね」と言われることは大抵は褒め言葉です。
しかし「毒にも薬にもならない」という軽視する気持ちも、いくばくか含まれている場合があるでしょう。

渋沢が指摘する通り、 いくつになってもどこか尖っている部分が必要なのです。

人の頼みを断れない人は、他人から利用されやすい

人から頼み事をされてあなたはNOと言えますか?嫌だな!変だな!と思った頼み事でも 「相手に嫌われたくない」「相手に申し訳ない」という思いから 断りきれない人がいます。

そういう人は往々にして、善良で優しい人なのですが、その気持ちを悪用する悪い人がいることも忘れないでください。

悪い人にとって優しい人、頼み事を断れない人は絶好のカモです。丸ければ丸いほど転がりやすいように、あなたを自分の都合のいいように転がそうとしてくる人がいます。

そのような悪い人から嫌われるなら嫌われた方がマシだと思いませんか?嫌われるのが怖いのは人間の本能ですが、 誰からも嫌われていない人などいません。自分を都合のいいように利用してくる人には勇気を持ってNOと言いましょう。

自分の大切な信念のために戦え

好んで争うことは、もちろん良くありません。しかし、 何があってもまったく争いをしないというのも、同じくらい良くありません

自分が正しい道を歩んでいこうとすれば、何らかの争いは絶対にさけられないものです。何が何でも争いを避け、逃げ回っていては、自分の道を進むことなどできません。

普段はどんなに丸くても、自分が「これだ」と決めた信念だけは貫き通す。そんな一面をもっていたいものです。

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