昔の人がすべて偉かったわけではない

今の青年の中にも偉い者があれば、昔の青年にも偉くない者があった。


(【論語と算盤】教育と情誼)より

現代の言葉で言うと

現代にも、優れた見どころのある青年はいる。逆に昔だって、どうしようもない青年はいた。

どの時代でも通用する真の能力を身につけよう

だれと比較しているのか

渋沢は「この頃の若い者はなっておらん」という言葉を聞いて、違和感を思えたのでしょう。

確かに、 後世にまで名が残っている青年たちの話を本などで読むと、現代の青年は「なっていない」「元気がない」と感じます

しかし、 そんな特別な青年と、現代の一般の青年を比べてあれこれ言うのは、いささか筋違いです。

昔と今の教育の違い

昔は「 少数の優れた人材を徹底的に育てる」という教育でした。しかし、今は「 平均的な人材を多数育てる」という教育になりました。

また、 昔は精神面の教育を重視しましたが、いまは知識を与えることに重点を置いています

真に偉い者とは

昔の教育が優れていた点もあり、現在の教育が優れている点もあります。しかし、 昔と今の教育の違いを踏まえたうえで、どちらの時代でも適用する人材こそ、真に偉い者と呼ぶのではないでしょうか。

ちなみに、現代の教育の問題点については、過去記事に書いていますので、良かったら参考にしてみてください。

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