教育のやり方を見ると(中略)単に智識を授けるということのみに重きを置きすぎている。(中略)実業の方では、軍事上の事務のように一々上官の命令を待っているようでは、とかく好機を逃し易い。
(【論語と算盤】教育と情誼)より
現代の言葉で言うと
最近の教育は、一方的に知識を与えることを重視しすぎている。実際のビジネスでは、軍人がいちいち上官の命令を待つようなことをしていては、チャンスを逃してしまう。
教育の在り方がその国家の将来を決める
世の中の問題の元凶とは
私たちの社会を取り巻く問題は無数にあります。ただ、その元凶とされるのはいつも1つのことです。
「教育の在り方が間違っている」と言うものです。
子供のときから受ける教育に問題があれば、その子供が大人になったとき正しい判断や行動ができないのも当然です。
日本の教育の問題点とは
知識偏重教育
日本の教育にはどのような問題点があるのでしょうか、まず渋沢を指摘するように 「知識を与えることだけに偏りすぎ」ている点です。
昔の日本教育は規律や人格といった、人間として根幹を形成する部分を、重点的に指導していました。
しかし、現在はそのようなことには極力触れず、ただ知識を与えるだけの教育になってしまっています。知識をどう使うべきか、どんな心構えでいるべきかすらもほとんど教えていません。
また、教えた知識をより多く覚えた、記憶力の良い生徒がよい評価を得ています。 ネットで調べればすぐでてくるようなモノを完璧に覚えることより、その得た知識をどう活用するのか、より重点的に教える必要があるのではないでしょうか。
「なぜ勉強する必要があるのか」という根本的な問いに答えられない
なぜ勉強する必要があるのか?という問いに正しく答えられない生徒が増えています。それも当然です。なぜなら 多くの先生もこの問にちゃんと答えられないからです。
ある年齢になれば義務業育がはじまり、個人の意思とは関係なく強制的に学校へ通うようになります。そして、この基本的な問いを考えることもなく、ただ知識を詰め込まれて、知識を定着させるために宿題が出される。
勉強を頑張る必要性がわからず宿題をしなければ、親や先生から怒られて、さらに宿題を追加される。。。
これが本当に教育と言えるのでしょうか。
正しい勉強の仕方を教えない
勉強ができてきる人は。まず 「正しい勉強の仕方を知っている」こと、そして 「正しい勉強を実践する心構えが備わっている」必要があります。。
それほど重要なことなのに、 正しい勉強の仕方すら学校では教えていません。
むしろ、宿題で漢字ノート10ページなど、無意味で楽しくもない学習方法を強要しています。
勉強や宿題は罰ゲームではありません。本来、 新しい知識を得ることは楽しいことであり、それを活用することで自分も世の中も発展していく、素晴らしいものなのです。
日本の教育の弊害
知識を与えることだけに偏り過ぎた教育の弊害で、誰かが教えてくれないと何も判断できない。だれかが指示してくれないと、何も行動できない大人が増えています。
いわゆる 「指示待ち社員」です。しかし、 指示待ち社員が悪いのではなく、そのような人材を多く作り出している、日本の教育システム自体に問題があるのは明白です。
日本がより発展するためには、まず教育から見直す必要があります。
無欲は怠惰のもとである【渋沢栄一訓言集(一言集)】より 現代の言葉で言うと 欲望がないことは美徳ではない。むしろ人を怠け者にしてしまう。 欲望とは悪いものなのか 例えば、包丁は悪いものでしょうか?包丁は殺人に使うこ[…]