何事も多数決、多数決というけれども、多数の力で少数の者を圧倒するのは、これほど容易のことではない。またこれほど残酷のことはない。
(【渋沢栄一訓言集】道徳と功利)より
現代の言葉で言うと
今の世の中では、何事も多数決で決めようとするが、それで少数の人間の意見を封じ込めるのは、とても簡単なことだ。一方でそれはとても残酷な行為でもある。
少数派の意見にも耳を傾けよう
多数決は万能ではない
現代は民主主義、株主資本主義の社会ですから、政治にしろ経済にしろ、何かを決定するときに、多数決にて物事を決めるのは当然です。しかし、多数化は万能ではありません。
多数決には残酷な一面がある
多数が賛同しているからといって、少数派の意見を無視し、封じ込めてもよいのでしょうか?
それでは、多数派が少数派の自由を奪っているも同然です。安易に相手から自由を奪い取ることは、人間の尊厳を無視した、残酷な行為です。
少数派の意見も役立つ
それに、少数派の意見にも耳を傾けるべき余地はあるし、そこから多数派の人々が得られるものもあるでしょう。
何かを多数決で決める時は、ただ数が多い少ないだけでなく、少数派の貴重な意見も十分聞いたうえで、判断したいものです。