総て自分の衷心から出るといふのが真正の交際であろう

真実に交じり、言々句々、一挙一動、総て自分の衷心から出るといふのが真正の交際であらう


青淵百話より

現代の言葉で言うと

言うこと、行うことがすべて自分の「まごころ」からできるというのが、本当に正しい交際である

人と交わり価値を生み出すことに人生の意味がある

敬語という文化

日本語には敬語というものがあります。相手の立場や役職によって、言葉を使いわけるように、先輩が後輩に取る態度から、元受けが下請けに取る態度まで、日本は上下関係をしっかりと守る文化が根付いています

ある意味、日本の交際感覚は相手の外面的な立場や役職などで決まってしまうのです。だからこそ栄一は誠意を欠くことのない「真正な交際」は意識しないと、難しいと説いています。

限られた人生の意味

生まれる環境や状況はそれぞれ異なりますが、人間はすべて裸でこの世に誕生します。そして一人の例外もなく、全員がいずれこの世を必ず去ることになります。

その限られた時間の間である私たちの人生に意味があると感じられるのは、他の人たちと交わり、共に何かの価値を創ることができているときではないでしょうか。

交際する相手を外面的に選び、選択肢を狭めることは、自分の可能性を狭めることでもあります。栄一が指摘するように相手の立場や階級がどうであれ、真心を活かすことで、人生の意味が深まります

そのような気持ちを忘れずに、多くの人とよき交際をしたいものです。

人間関係の教えの最新記事8件