信じぬことは言わず、知った以上は必ず行う

人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想によって生きるのが、趣味ある自分が信じぬことは言わず、知った以上は必ず行うという念が強くなれば、自然に言語は寡黙になり、行為は敏捷になるものである。。


【「渋沢栄一訓言集」立志と修養】より

現代の言葉で言うと

自分が信じないことは口に出さない。そして、自分が何かを知った場合は、必ずそれに対して行動を起こす。このような思いを強くもっていれば、余計なことは言わず、すばやく行動するようになる。

信じてもいないことは口にもだすな

知行合一(ちこうごういつ)という言葉を知っていますか?簡単に説明すると知識と行為は一体であるということ。 本当の知は実践を伴わなければならないということです。

渋沢栄一は5歳の頃から父親に読書を教えられ、7歳の時には従兄である尾高惇忠(おがたあつだだ)から個人授業をうけ、あらゆる本を読む英才教育を受けました。そして栄一が15歳のとき父親から「読書三昧では困る。農業・商売にも心を用いなければいけない」と言われ家業の商売を手伝い、読書で得た知識と論理的思考力を生かし、渋沢家の商売を大きく成長させました。 得た知識は行動してこそ人の役に立つことを渋沢自身が実感したのです。

自分の発言に責任を持とう

日本には古くから 言霊信仰というものがあります。簡単にいうと言葉そのものに霊力が宿っているて、言葉を口に出すとその内容が実現するというものです。それだけ、 日本人は発言する言葉に対して慎重でした。

しかし、現代ではSNSが普及して、 一般の人でも気軽に情報発信できる時代になりました。その弊害として「気軽に書き込んだコメントが炎上」したり、「ただ気に食わないだけで批判のコメントをする人」が増えてきてしまいました。

現代こそ、渋沢栄一がいう通り 「自分の発言に責任をもつ」必要が高まっているのではないでしょうか。

また責任と成長に関しては過去記事で詳しく書いていますので、よかったら参考にしてみてください。

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口ではなく行動で示せ

私も起業する前は、お酒を飲みながらよく友人に大きな夢を語っていました。「こういう会社を作るんだ!」「こういう風に世界を変えてみせる!」と話している時は、とても気持ちがいいものです。

しかし、いざ行動に移そうとすると「失敗したらどうしよう」「批判されるのが怖い」など、不安になったり。夢が大きかったので、目の前の地味な作業に集中できずにいました。

そして、行動できないストレスをお酒でごまかしながら、また夢を語る。。。

そういう生活をしていては、いつまでたっても道が開けるはずはありません。 口でエネルギーを発散させるのではなく、行動でエネルギーを発散させなければいけないと気づかせてくれたのが渋沢栄一さんのこの言葉でした「信じぬことは言わず、知った以上は必ず行う」

口で大きなことを言うだけなら誰でもできます。でも行動に移せる人はごく一部の人です。そしてその行動を成功するまで続けられる人はほとんどいません。

あなたは、口だけの人ですか、それとも行動に移せていますか?

行動を続けるコツは「心から楽しんで行動すること」です、このことは過去記事で詳しく書いていますので、よかったら参考にしてみてください。

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