私が希望するのは、天下の貧しい者すべてが「ひまなし」の状況から脱することである。
【青淵百話】より
現代の言葉で言うと
私が望むのは、貧しくて、働く暇すらない状況の人すべてを自立させることである。
貧富の格差をなくすことが公益に適う
渋沢栄一は都市化にともない急増した、浮浪者や孤児を保護する養育院を作り、院長を務めました。
現在の生活保護の不正受給問題のように、 公金をしようして貧困者を援助するのは「怠け者を増やすだけだ」と反対意見も当時は多かったのですが、渋沢栄一は 「貧しい人々を助け貧富の格差をなくすことが公益に適う」と訴え続け、晩年病状にふせってもなお、養育院にいる子供の心配をしていたそうです。
先進国で豊かな日本でも、子供の貧困率は7人に1人、ひとり親世帯では2人に1人が貧困に苦しんでいます。 残念ながら格差は無くなるどころか、広がっているのが現状です。
だからこそ、渋沢栄一をとおして、真の資本主義の在り方を、今こそ学ぶべきではないでしょうか。
なぜ貧乏な人ほど「ひまなし」になるのか
貧乏な人はなぜ「ひまなし」になるのでしょうか。一つは 十分な教育を受けられなかったので、 いい仕事につくことができない。また 仕事を効果的・効率的に行うことができないことが考えられます。
そして、貧乏な人の多くが 時給制の仕事で働いています。 時給とはその名の通り自分の時間を切り売りしているため、時間に余裕がないのも当然です。
能力がある人、お金持ちの人は、人生で一番大切な時間を簡単に切り売りしません。
能力がある人は、知識・能力・アイディアをお金に換えています。給与も時給ではなく、成果報酬であることが多いのが特徴です。
お金持ちの人は、お金を生む仕組みを作ています。たとえば不動産を購入して、管理は不動産管理会社に頼むことで自分は何もしなくても収入を得ることができます。自分自身が働くのではなく、お金を働かせて新たなお金を生む、投資からの収入が多いのが特徴です。
全世界4000万部のベストセラーとなっている有名な本です。貧乏な人とお金持ちの違いを分かりやすく説明しています。改訂版で内容もよりわかりやすくなっているので、昔一度読んだ人にもおすすめです。
こちらも、全世界でベストセラーとなった本。お金の増やし方の原理・原則を教えてくれる本のマンガ版。お金を稼ぐ方法だけでなく精神的な豊かさも得る方法が追記されている。
なぜ成功者は慈善事業、救済事業をするのか
渋沢栄一をはじめ、ビルゲイツ、孫正義など、なぜ世界中のお金持ちはなぜ慈善事業をおこなうのでしょうか?
それは、 人は自分ひとりでは何もできないからです。国や社会の土台があるからこそ、事業をおこない、利益を上げて、安全に生活できる。
そのことをよく知っているからこそ、 国や社会の恩返しとして慈善事業や弱者への救済事業をおこなうのは当然だと考えているのです。
援助によって、弱者を堕落させてはいけない
成功した人々は国や社会からかなりの支援を受けているので、その恩返しをするのは当然です。
だからといって、 安易に金銭を援助し、貧しいものが何の努力もせずにお金持ちになるようでは、かえって本人を堕落させてしまいます。
それよりも、 彼らが自らの力で貧しさを脱却できるように、サポートする自立支援こそ必要なのです。