結果ばかりに着眼せず、まず己の本分を尽くすこと

事業経営に利益を希望するのは当然である。されどその結果ばかりに着眼せず、まず己の本分を尽くすことを目的として、事に従うべきでさる


(【渋沢栄一訓言集】道徳と功利)より

現代の言葉で言うと

事業をする以上は、利益を望むことは当然のことだ。しかし、利益ばかりに目を向けてはいけない。自分の力をすべて発揮する。まずはそのことを目標にして、経営を行うべきである。

ただ目の前のことに全力を尽くせ

ビジネスで結果を求めるのは当然

渋沢が言うように、事業をする以上は、利益を望むことは当然です。なぜなら、どんなに社会へ貢献している素晴らしい会社でも利益がなければ継続することができないからです。

しかし、利益を望むことは当然でも、利益や結果ばかりに目を向けるのは良くありません

結果を出すことばかりを目的としていては、利益がでたら「よかった」で終わり、失敗すれば「すべて無駄」ということになってしまいます。

結果より過程の大切さについては、過去記事でも詳しく書いていますので、良かったら参考にしてみてください。

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結果を先に求めるから道を誤る

ビジネスで結果を出したければ、まず自分が人に役立つ人間になることです。これ以外に選択肢はありません。

いきなり結果を求めても手に入らないどころか、周りに迷惑をかけてしまうでしょう。渋沢の言う通り、まずは自分が成長するために結果よりも過程を大切にしてみてください。

過程を大切にするということは、目の前のやるべきことに全力を尽くすことです。そうすれば結果がどうであれ、常に成長することができます。

焦らなくても、自分が成長すれば結果は自然とついてくるものです
結果を先に求めるから、道を誤ってしまうことを忘れないでください。

ビジネスで自分を磨け

学校だけが自分を成長させてくれる環境ではありません。むしろ、社会に出てビジネスを行うことの方が、実用的な学びも多く、自分をより成長させてくれます

またビジネスは学校ほど、優しいものではありません。時には上司から怒られたり、お客様から理不尽なクレームを言われたりします。しかし、その厳しさこそ自分の人間性を磨く絶好のチャンスなのです。

人生の結末はみんな同じ

ビジネスで成功した人も、失敗した人も、みんな人間としてたどり着く結末は同じ「死」です。

人間だけがこの結末を知っています。そしてこの結末だけ見ると、どうせ死ぬのだから頑張っても無駄に思えてくるかもしれません。しかし人生の価値はもちろん結末だけで決まるものではありません

この限られた人生だからこそ、最後の日まで全力で生きたいと思いませんか?

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