よくしゃべることは、災いも幸せも招くものとなる。だから、ちょっとした言葉遣いにも分別をわきまえなくてはならない。
【青淵百話】より
現代の言葉で言うと
よくしゃべることは、災いや幸せを引き起こす原因になる。だから、ちょっとした言葉遣いにも気を付けた方がよい
言葉の使い方一つで「幸福」を引き寄せられる
心にもないことを言うな
故事には「口は禍の門」また「口は災いの元」と言うが、渋沢栄一は 言葉は災いだけでなく、幸せも引き寄せることができると考え「口舌は禍福がしょうずる門」と【道徳と実業】で言い換えています。
渋沢栄一は日々、多くの人と面談し意見を交わし、会合や宴会の席では演説を披露しました。ときに揚げ足を取られることもありましたが 「私が一度口して言う以上は、必ず心にもないことは言わないという主義である」【道徳と実業】と語るように、主張することはきちんと述べることを信条にしていました。
まずは、栄一を見習って心にもないことを言わないこと。もし 自分の発した言葉の揚げ足をとられても、自分が本当に心から思っていることならば、非難も素直に受け入れられるのではないでしょうか。
人は死ぬまで同じ事をするものではない。理想によって生きるのが、趣味ある自分が信じぬことは言わず、知った以上は必ず行うという念が強くなれば、自然に言語は寡黙になり、行為は敏捷になるものである。。【「渋沢栄一訓言集」立志と修養】より 現[…]
どのような言葉が災いを引き起こすのか
言葉の使い方一つで幸せも災いも引き寄せるのなら、どのような言葉が災いを引き寄せてしまうのだろうでしょうか。
代表的なのが 「批判」と 「議論」です。
他人を批判すれば、自分も批判される可能性が高くなるのは当然です。批判を受けた人は攻撃されたと思い、自分を守ろうとする、また相手に反撃しようとする、これは人の自然な反応であり、できれば避けたいものです。
相手を批判するときは、特に言葉遣いに気を付けてください。 「人格」を否定するのではなく「間違えた行為」のみを指摘すると相手も批判を受け入れやすくなります。
また議論もよく災いを引き寄せてしまうので注意が必要です。「上司の勘違いからムカつくことを言われて、ついつい言い返したら、それ以降関係が悪化して、ひどい仕打ちを受けるようになった」「お客様から理不尽なクレームをいわれて、グウの音も出ないくらいやり込めてしまった。言い合いには勝ったが、悪いレビューをつけられて売上が減少した」など 感情的になってしまい、つい言い返してしまったら、大変な結末を迎えてしまうことがあります。
言い争いに勝っても意味はありません。言い争いになってあなたは何を得られるのでしょうか?相手をコテンパに打ち負かせば負かすほど、相手はあなたのことを嫌いになるだけです。
言葉で幸せを引き寄せよう
精神的に成功している人は、言葉遣いも一流です。例えば議論するときも まず相手の話を最後まで聞き、相手の意見も尊重した上で、自分の意見を伝えます。これが 建設的な議論であり、お互いにメリットが生まれます。
言葉遣いも「相手への思いやり」が一番大切なのです。相手への思いやりが持てないとき、感情的なときは、黙っていた方がマシです。
あなたも渋沢が語るように「心にもないことを」を言わないように気を付けることで、幸せを引き寄せてください。
言葉の使い方で参考になった本を紹介しています。よかったら参考にしてみてください。