天を仰ぎ地の理を知れ

天を仰ぎ地の理を知れ。どんな不利な足場であろうと剣を繰り出す。それができねば死ぬ 尾高千代 この言葉の背景 惇忠などから聞いた千代が武芸の心を、栄一に伝える この言葉に関連する栄一の名言 「自分の尽くすべき事をつくしてそれから先の運命は天命」

刀は固く握れば敵に素早く応ずることができねぇ

刀は固く握れば敵に素早く応ずることができねぇ。柔らかく持ち斬る瞬間に握り込め 尾高惇忠 この言葉の背景 攘夷の機運とあいまって、武芸がさかんになり、腕に覚えのあるものが他流試合を挑む、道場破りがはやっていた時代。栄一も 惇忠から武芸を習うときに、言われたアドバイス この言葉に関連する栄一の名言 「むやみに頭を突き出して駈ければ、すなわち衝突、転倒をまぬがれぬ」

誰しも掛けがえのなきものを天災で失うは耐えがたきこと

異国人とて国には親や友がありましょう。誰しも掛けがえのなきものを天災で失うは耐えがたきこと 藤田東湖 この言葉の背景 地震の影響による津波により、下田沖に停泊中のロシア船が転覆。外国人を敵とみなしていた斉昭が「500人のロシア人、ひとおもいに皆殺しにせよ!」と過激な発言をしたとき、側近である東湖が斉昭をなだめるために言った言葉。 すうきな運命だが、なだめた東湖は安政江戸地震(1855年)で亡くなっ […]

強く見えるものほど、弱きものです

強く見えるものほど 弱きものです弱気ものとて強いところもある。人は一面ではございません。 尾高千代 この言葉の背景 栄一の姉、なかの縁談は破談になり、精神が不安定となり、不審な行動が目立つようになる。栄一はなかを見張るように言われて、なか山の中を徘徊しているときに、千代と出会い、千代に「強い姉さまが恋で病気になって、おっかない」と言ったら、千代が「人には強い面、と弱い面があることを」教えた言葉。 […]

俺は人の弱みにつけ込む神様なんか怖かねぇ

俺は人の弱みにつけ込む神様なんかこれっぽちも怖かねぇ 渋沢栄一 この言葉の背景 この時代、疫病が流行して、さまざまな迷信がはやるようになった。そんなおり栄一の姉のなかの縁談が破談、その影響で精神が不安定となり、不審な行動が増えるようになる。家族はそれを「キツネの祟り」だと考え、家にイタコを呼び祈祷してもらうことになる。 だが栄一は祟りなど一切信じておらず、神様が降臨したイタコに質問して、神様が年号 […]

慷慨(こうがい)とは正義の気持ちを持ち

「慷慨」とは、正義の気持ちを持ち世の中の不正に憤り、嘆くことをいうんだ。 尾高惇忠 この言葉の背景 御用金問題で、憤慨していた栄一に尾高が言った言葉。世の中は不正で溢れており、それに怒り、嘆くことは自然なことであり、成長の糧であるという教え この言葉に関連する栄一の名言 「悪は必ず改め善は必ず行う」 「思い通りにならないことが普通」 「目的通りにいかない時は勇気をもって耐えよ」

【御用金問題】私は父の名代で参りましたゆえ

私は父の名代で参りましたゆえ。家に戻りまして父に申し伝えた上またお受けにまかり出ます。 渋沢栄一 この言葉の背景 お代官さまから、御用金の申し付けがあり、いつもは父親がいくはずだったがその日は別の用事があり、栄一がいくことになった。 お代官様の話をただへぇへぇと聞き、頭を下げるだけであったが、栄一は500両を御用金として申し付けられた時、あろうことか「父親の代わりに来たので、父親に確認させてくださ […]

権兵衛さんに大関の席に座ってもらいてえ

とっさまの腕だけじゃねぇ。この権兵衛さんの藍がなっからいい出来だったのよ。だから俺は、今日は権兵衛さんに大関の席に座ってもらいてえと思ったのよ。 渋沢栄一 この言葉の背景 渋沢家が豊作で宴会をすることになり、栄一がその宴会を任されることになった。そのとき、ここの百姓たちが今よりも儲けて、この家も儲けて、日本一の愛玉の生産地になるためには何ができるのかを考えた結果。 「相撲の番付」にならって、よい藍 […]

米の一粒一粒は民の辛苦である

米の一粒一粒は民の辛苦であるゆえ、食するごとにそれを忘れぬように 徳川慶喜 この言葉の背景 徳川慶喜の父、斉昭からの教え。食べることにも感謝の気持ちを忘れない。現代でも大切な考え方である。 この言葉に関連する栄一の名言 「心の余裕は仁」 「人の心に染み込んだものは簡単には消せない」

おごりや過ちがあればいさめて欲しい

私にすこしでもおごりや過ちがあれば必ずいさめて欲しい 徳川慶喜 この言葉の背景 徳川慶喜が平岡円史郎に対して、最初にお願いしたこと。諍臣(そうしん)になんて欲しい。 諍臣(そうしん)とは 中国の古典に「諍臣は必ずその漸(ぜん)を諌(いさ)む。」という言葉が由来。トップに過失があったときは、敢然として諌いさめる臣下(注意する部下)のこと言う。それも諫めるときは「 漸 」すなわち兆しの段階で諫める。な […]