一度口にして言ふ以上は、必ず心にもないことは言はぬ
青淵百話より
現代の言葉で言うと
一度でも言うからには、必ず心にもないことは言わない
口は諸刃の剣なので、扱いに気をつけよ
日本人の奥ゆかしさ
「口は災いの元」「口は禍の門」という言葉があるように、日本人は余計なことを言わない文化があります。これは日本人特有の奥ゆかしい文化であり素晴らしいものです。
しかし、言わなくても伝わると思っていたのに、実は意思伝達ができておらず、問題が大きくなってから気づくことがあります。
言葉のおかげで文明はここまで発展できた
言葉があるおかげで人と人が協力できるようになりました。言葉があったからこそ、ここまでの文明を人間だけが創り上げることができたのです。
過去記事にも書いている通り、口を開いたために人間は福を招いたのです。
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口は諸刃の剣である
しかし、言葉は諸刃の剣で「災いの元」になることもあるので扱いには注意が必要です。
栄一は言葉について「識別に注意」して「有用な言葉」を口にするように努めることが大切だと説いています。これは言うのは簡単ですが、おこなうのは難しいものです。
なので栄一は「本当に自分が思っていることしか言わない」「言っていることと行うことが一致する」ことを心掛けるように説いています。