日々、新たな気持ちで迎えよ

日々に新たにしてまた日に新たなりは面白い、すべて形式に流れると精神が乏しくなる、なんでも日に新の心がけが肝要である


【「渋沢栄一訓言集」一言集】より

現代の言葉で言うと

一日一日を、新たな気持ちで迎えられれば面白い。型にはまった、同じような日常を送っていては精神的に充実した生活を送ることは難しくなる。どんな場合でも、毎日を新たな気持ちで過ごす心構えが必要だ。

同じことを繰り返す人生は人間を腐らせる

日々を新鮮な気持ちで迎える大切さ

お正月が来て、年が新しくなれば、心も新鮮な気持ちになり、おめでたい気持ちになります。ただお正月だけがめでたいのではなく、心が新しくなった時、それはいつでもめでたいのです。

年の初めが元日で、一日の初めは朝起きた時です。年の初めがおめでたいことであれば、一日の始まりでもある「朝起きた時も同じようにめでたい」はずです。

毎朝、心が新鮮な気持ちになれば、毎日がお正月。毎日が同じような日々でも、「日々新た」な気持ちを忘れなければ、見るもの、聞くものが、みんな新鮮に感じられるはずです。

渋沢栄一が官僚になったとき気づいたこと

仕事は言われたことしかやらない、毎日同じような作業の繰り返し、そんな生活を続けていると 「自分の頭で考えて行動する力」が弱まっていきます。そして同じような作業を繰り返していると、 物事の本質を見失い、形だけにこだわるように自然となってしまいます(形骸化)

渋沢栄一は一橋家で出世し、勘定組頭(いまで言う財務省の事務方トップ)にまでなりました。しかし、部下は「言われたことしかやらない」「同じような作業をただ繰り返すだけ」いわゆる指示待ち社員が多くて驚いたそうです。 仕事をもっと楽しいものにして欲しいという思いから、いくつかの言葉を残しています。

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残念ながら渋沢栄一が当時から恐れていたとおり、今の政治家、官僚、公務員、民間企業の従業員までも、形だけにこだわり、本当に大切なことをおざなりにする傾向がどんどん強くなってきてしまっています。

毎日を新たな気持ちで過ごす2つの具体的方法

ではどうすれば、形骸化や指示待ち社員を無くすことができるのでしょうか?
そのヒントとなるのが 「毎日新たな気持ちで過ごす」ことです。

あなたも、入学したとき、入社したとき、期待と希望で胸がワクワクしませんでしたか?でもいつの間にかその生活にも慣れてしまい、目の前の作業をこなすだけの生活になってしまいます。なのでその 慣れを防ぐためにも意図的に行動する必要があります。

生活の中から新しいことを探そう

毎日、同じような生活を送っている人でも、世界は常に変化し続けています。なのでよく意識して見ると 世の中は「新しいことで溢れています」

会社の置かれている状態も常に変化しています。なので社員に求められていることも常に変化しているのです。いつも会っている上司をよく見てみると、毎日気分や表情は違いますし、言動も違います。部下だって、お客さんだってそうです。

哲学者のヘラクレイトスが 「万物は流転している」と言ったように、世の中同じようなことが続いているようにみえて、実は新しいことで溢れているのです。

なので、まずはそのちょっとした新しい変化に気づくことが、日々新たに過ごすための第一歩となります。

ちょっとした工夫をしよう

世の中が常に変化していることに気づいたら、今度はあなたが変化する番です。いつも行っている作業が「もっとよくなるように」「もっと効率的になるように」自分の頭で考えて行動しましょう。そうすれば、日々新たな気持ちで仕事に取り組めるようになり仕事が少しずつ楽しくなってくるはずです。

詳しくは過去記事に書いているので参考にしてみてください。

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