真似はその形をまねずして、その心を真似よ。
【「渋沢栄一訓言集」一言集】より
現代の言葉で言うと
何かを真似する場合、その形だけを真似するのではなく、その心まで真似ることだ
最強の学習法(守破離)
みんな最初は真似ることから始まる
守破離とは、武道や芸術などの世界で良く使われる言葉です。人が 成長する上で重要なステップを示しています。
「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階です。 一人の師匠、一つの流派を徹底的に真似る作業がポイントとなっています。そして この段階がすべてのベースとなるので一番重要です。
「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。つまり「守」で身につけた流派に、他流派のよい面を+αしていく段階なので、「守」でその流派の心まで身につけていることが前提になっています。
「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階です。 ここまできてやっと個性をだして自己流を生み出すことができます。
渋沢栄一は真似ることの天才だった
渋沢栄一は、少年の時から父親の商売をみて、徹底的に真似ることで商才を養いました。また渋沢栄一が27歳のときバリ万博へ行った際、ヨーロッパの近代社会から「株式会社」「銀行」「合本組織」「製鉄」「新聞」「水道」「ガス」「列車」などを学び、それを真似することで日本の近代化の礎を築いたのです。
形だけ真似をしても上手くいかない
「守破離」から、まず一つのことを徹底的に真似ることが大切なのが分かります。しかし多くの人は、 いきなり自己流で新たなことに挑戦したり、 真似るにしても形だけ真似しようとする人が大半です。
まず形から入るのは全然OKですが、渋沢栄一が言うように 「その心まで真似ること」を最終的には目指すべきです。
一流ホテルを形だけ真似をして建物だけ豪華にしても、うまくいかないことは明白です。一流ホテルとは建物も従業員のサービスも一流だからこそ「一流ホテル」と言われているのです。ここにビジネスの難しさがあります、 お金を出せば建物を真似することはできても、従業員のサービスの質まで真似ることはできないからです。
心まで真似るには
なにかに挑戦するとき、何かを学ぶとき、心まで真似るにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは 守破離の「守」をおろそかにしないこと、個性を出すことを焦らないことが重要です。 まず形をまね、その形がなぜ大切なのかゆっくりと核心にせまっていきましょう。
また真似をするとき、 一流の人がどのような心構えでやっているのか伝記などをみて学ぶことも役立ちます。その人の行動や成果だけにとらわれず、心構えまで真似することができれば、あなたもきっと大きく成長し、なすべきことを成し遂げることができるでしょう。