いかに忙しき時とても、仕事を考えながら人と談話し、談話しながら事務上に心を配るなどは、過誤を招く所以である
(【渋沢栄一訓言集】処事と接物)より
現代の言葉で言うと
いくら忙しい時でも、仕事のことを考えながら雑談したり、雑談しながら仕事のことを気にかけるのは大きな失敗を招く元である。
つねに今行っている1つの事に集中せよ
忙しいときに起こる悪循環
目が回るほど忙しい、そんなときは決まって 一度に沢山の仕事をしている時です。
一度に沢山の仕事をするのは「非効率」であり、最新の脳科学でも良くないことがわかってきました。このことに渋沢が50年以上前に気づいていたことが驚きです。
一度に複数の仕事をこなしていると、疲れるだけでなく、1つ1つの仕事に集中できずミスをする可能性が高まります。そうなるとその失敗をとり返す必要が でてきて、逆に仕事が増えてしまいます。
忙しさがミスを生み ミスがさらに忙しさを生む 悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環から抜け出すには、渋沢が言うように 仕事の優先順位を明確にして1つ1つこなしていくことです。
脳科学で分かった「マルチタスク」という幻想
現代は便利な世の中になった反面、求められる仕事の量も爆発的に増えて、忙しさに忙殺される人であふれています。
そこで「 一度に沢山の作業ができたら、時間が節約できる」という発想が生まれました。これがマルチタスクです。
しかし、最近の研究でマルチタスクは、 脳に非常に強いストレスを与えてしまうことがわかってきました。
例えば、通勤中にオーディオブックを聞きながら読書をすれば、一石二鳥のように思えます。しかし、実は 脳は1度に1つのことしかできません。
なので、複数の作業を同時にこなしているようで、実際は「通勤」→「オーディオブックの理解」→「通勤」→「オーディオブックの理解」というように、2つの処理を高速で切り替えて1つずつこなしています。
この処理を切り替えるとき、脳に強いストレスがかかることがわかりました。
通勤中でも電車の中で目を閉じてオーディオブックのみに集中できるなら、効果はあります。しかし、歩いて移動するときにオーディオブックを聞いていても脳にダメージを与えるだけで、オーディオブックの内容はほとんど理解できないので注意してください。
目の前の作業に集中しずらい時代
目の前の1つの作業に集中することが大切です。しかし、仕事をしていても、上司が話しかけてきたり、LINEが鳴ったり、電話がなったり、フェイスブックの通知が来たり、とにかく 現代はあらゆることに集中力を奪われます。
だからこそ、 集中できる環境を作ることができれば、それだけで他のビジネスマンと差別化できて、一歩抜け出すことができます。
集中できる環境づくりとして
・スマホはサイレントにして机の中にしまっておく
・スマホの無駄な通知はこないようにする
・パソコンの無駄な通知は表示しないようにする
・メールは決まった時間にまとめて確認する
・上司や同僚には集中するまえに話を済ませておく
など
あなたの状況に合わせて、 自分がより集中できる環境づくりをしてみてください。また集中力が散漫になりやすい人は瞑想、特に マインドフルネスがおすすめです。過去記事で紹介していますので、良かったら参考にしてみてください。
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