情熱なき人が増えれば、国は必ず滅ぶ

何事にも情熱無き人がある。これを国家社会の上から見れば、酔生夢死(すいせいむし)の人間というほかなく、その種の人が多くなればすなわち国は必ず滅ぶ


(【渋沢栄一訓言集】座右銘と家訓)より

現代の言葉で言うと

何をするにも情熱を持たない人々がいる。国や社会の視点から彼らを見れば、貴重な人生を無駄に過ごしているとしか言えない。そんな人間たちが増えれば、間違いなく国は滅びるだろう。

国家は個人の集合にすぎない

まず何よりも心を大切にした渋沢栄一

渋沢は「すべては心もちようひとつ」「心は常に楽しんで」という言葉を残している通り、なによりもまず「心」を大切にしていました

情熱をもって行動していれば、新しい発想も生まれ、ちょっとやそっとの困難があっても乗り越えていけるからです。

楽しんで、情熱をもって行動できる人こそ、世の中や国家をよりよいものに変えてくれる宝なのです。

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酔生夢死(すいせいむし)とは

酔生夢死とは「酒に酔ったように生き、夢をみるように死んでいく人」のことです。何もぜず、のらりくらりと無駄に一生を過ごす人の人生が実にもったいないことを表しています。

さとり世代とは

どんなことに関してもまったく情熱が持てない人が多く生まれた世代があります。それがさとり世代です。

さとり世代とは一般的に「欲がない」と言われている世代で、1980年代中ごろから1990年代中ごろに生まれた人が該当すると言われています。

欲がなければ、競争することもなく、心穏やかに過ごせることは確かです。しかし、本当にさとり世代はさとりを開くことができているのでしょうか?

当然ですが、 ある年代に生まれたからさとりが開けるというものではありません。また、さとり世代は「欲がない」ので「優しくて」「穏やか」な人が多い反面、 お金儲けに興味がない、かといって慈善や福祉にも貢献しようとしない、怠惰な人が多いのも特徴です。

このような人が多くなれば、国も社会も発展するはずがありません。
必ずいつか衰退して滅びるでしょう。

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国家はあなたの情熱にかかっている

実は私自身もさとり世代に生まれた一人です。ありがたいことですが子供のときから何不自由なく育ててもらったおかげで、強い欲望を持つことなく生きてきました。

そして社会人になっても、大変な仕事をするくらいなら「車なんて無ければなくてもいい」「家は住むことができたらいい」というような無欲で怠惰な生活を続けてきました。

しかし、渋沢栄一さんの書籍に出会い、生活が一変しました。酔生夢死、わたしは酔いから覚め、 夢を見るだけでなく夢を現実にすることができました

さとり世代は悟っているのではなく、さとりを言い訳にしている世代です。

「欲がないことを言い訳にせず」ぬるま湯から抜け出し、少なくとも自分だけは情熱をもって行動しましょう。そうすれば周りの人にも少しずつ情熱の炎が広がっていくはずです。

渋沢流、やる気の出し方については、過去記事で詳しく書いていますので、良かったら参考にしてみてください。

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